2016年3月1日火曜日

シェーグレン症候群によるドライアイ

シェーグレン症候群によるドライアイ

シェーグレン症候群によるドライアイは我々眼科医を悩ます最悪のドライアイである。角膜糜爛はほぼ連日あり来院して検査する度に糜爛の無い日は全くない、多かれ少なかれ糜爛があるのです。

フルオレスチンという色素で角膜を染めた状態の細隙灯検査で点状に白っぽく見えるのがその糜爛です。
糜爛があると異物感、痛み等ドライアイの症状がはっきりします。

シェ-グレン症候群の糜爛はちょっと普通の糜爛とは違い角膜表面に汚れた細かい目やにの成分が薄く張り付いたようなもので。単なる角膜の傷ではない様に見えるのです。こすり取れば取れるようにも見えるのですが・・・・・。


シェーグレン症候群によるドライアイだけではなくドライアイの目やにの特徴はこの様に、納豆をかき混ぜた時のような粘稠度の高い目やにが溜まっていて、綿棒などでくっつけるとずるずると糸を引くように出てきます。 

シェーグレン症候群は自己免疫疾患の1種で全身の分泌腺(涙腺、唾液腺、鼻粘膜、皮膚、生殖器)が侵されて眼でいうと「涙が出なくなる」のです。

全身疾患で唾液腺の生検(組織の一部を穿刺して細胞を調べる)でシェーグレン症候群と診断されたら、我々眼科医はお手上げで、あとは眼の乾燥に対する対症療法をする以外方法はないのです。

しかし、シェーグレン症候群と確定診断されたある一人の患者さんのマイボーム腺圧出を繰り返すことで嘘のようにびらんが消失し、現在1~2か月おきにこの圧出を繰り返すことで、角膜びらんのない快適な小康状態を保っている80歳の女性患者さんがいるのです。

この患者さんの詳しい経過はまとめてお見せしたいのですが、何しろこの患者さんとは30年悩んだ患者さんでサマリーも膨大になるのです。


0 件のコメント:

コメントを投稿