2012年12月7日金曜日

マイボーム腺機能不全という病気

「ドライアイと診断され長年治療を受けているがちっとも良くならない」
と何年も点眼治療を受けている患者さんが口コミで来院するようになった。

また、私の著書「ドライアイは自分で治す努力で治る」を本屋さんで見つけて「私の病気もきっとこれだ!」とセカンドオピニオンを求めて来院する患者さんが少し増えてきた。

その方たちに、このマイボーム腺の圧出をするとほぼ100%の患者さんがマイボーム腺の脂分が詰まっているというマイボーム腺機能不全があるのです。

しかし、この治療や検査は全く受けてない、それどころか「マイボーム腺」という言葉さえ初耳だというのです。

我々眼科医がいかにこの病気を無視しているか、眼科の同業者である開業医に、飲み会の最中に「先生はマイボーム腺の検査どんなことやってます?」と聞くとほとんどが「特に全然やらないのだが、マイボグラフイーて方法があることはわかるけど」という返事なのです。

本を出版して以来、ネット、ヤフー知恵袋のQ&Aに「ドライアイ」と「目のクマ」について治療などのアドバイスを毎日欠かさず投稿している、これを見てなんと神戸から那覇まで診察を受けに来た方がいるのです。

あらかじめ電話で詳しく症状を聞いて「近くの眼科で、まばたきのこと、マイボーム腺機能不全のこと知恵ノートのドライアイは自分で治すをプリントして持っていけば、眼科のしかもドライアイに少し詳しいドクターならわかるはずですが・・・・・」とご説明したのですが、頭ごなしに否定され、「瞬きはきちんと出来ているし、マイボーム腺機能不全もありません」と否定されたというのです。それもドライアイで有名な京都の大病院でですよ。(絶句!)

この方神戸から那覇まで私のような田舎のクリニックに高い航空券を買ってまでいらっしゃたのです。

で私が診たところ、まばたきがきちんと閉じていない、そのためにまぶたの力が足りないのでマイボーム腺機能不全に陥り油が詰まっているのです。

この病気に目薬は一時しのぎの対症療法、目薬だけでは良くなるはずがありません、治療法は
まず動きの悪い眼輪筋を筋トレで動かすこと、すなわち眼輪筋の筋トレです。

もう一つがマイボーム腺の油を繰り返し排除して新しい油と交換することです。
これはなかなかご自分ではできないので通うことなのですが、神戸から那覇までは通えません、温めることともう一つ自分で出来そうなことを提案しました。

マイボーム圧迫鉗子というピンセットを買ってもらってご自身で圧出してもらおうというのです。

これがその説明です。ご覧下さい。